2005年01月
2005年01月01日
勝(奨)学生になろう!
ブログをはじめ、早3年目。今でも、訪問者は多い日には、1日500人以上もの方がご訪問くださります。
そんな中、いくつかイベントも行いました。
「医学部メール相談室」…現役医学部生であるIさん(※)にご協力いただき、全国の受験生や高校生からご相談を集う。昨年、秋には40名以上の方とメールをしました。中には、医学部に合格後、交流の続いている方もいらっしゃいます。
「不安解消講座」…昨年の夏に開講。医学部生や医師の方にいろいろお話を聞いた内容が、メールマガジンで定期的に届くというもの。すでに、550名以上の受講者がいます。
※Iさんは、現在、慶應義塾大学医学部6年生。他には、名古屋大学医学部、防衛医科大学校に合格、センター利用で慶應大学法学部に合格されています。
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私はブログやメルマガで、受験生や高校生からのご相談を受けています。大体、どのくらいのメールをいただいていると思われますか?月に30ですか?60でしょうか?
4月の数字ですと、35人の方に対し、138通の返信をしました。
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そんな中、ひとつの言葉がアタマから離れません。
「情報格差」
今では、医学部に合格するのは、国公立であれ、私立であれ、大学受験の世界では、最難関です。私立は、倍率を見れば、わかります。早慶の理系学部の倍率が3〜4倍のところ、私大医学部は、15〜20倍です。もちろん、倍率は難易度とはイコールではないのですが、何年も受からない受験生もおり、たやすくはない状況です。
一方、国公立も簡単に比べることは難しいのですが、地方の大学であっても東大や京大の理系学部と同等か場合によっては、それ以上の学力を必要とします。
国公立の医学部には、首都圏の中高一貫校の生徒も全国に散らばって受けており、さらに再受験生も増え、なかなか難しいことになっています。
ある医学部生の方から聞いた話を思い出します。その方は、『読売ウィークリー』で医学部+東大・京大「最強高校」ランキングで上位3位以内の高校ご出身なのですが、最も苦労したのが、校内で医学部を受けた同級生の中で、自分だけが塾や予備校に通っていなかったこと。行かなかったのではなく、家庭の事情により、行けなかったそうです。しかし、実績のある高校でしたので、現役で国公立医学部に現役合格(ただ、ランクは落としています…)。
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「貧乏人が医者になれるわけがない」
この言葉は、『がんばらない』、『あきらめない』などの本で知られる鎌田實医師(東京医科歯科大学卒)が、「医学部に行きたい」と告げたとき、タクシー運転手である父親に言われたもの。
鎌田医師が大学に入学した頃は、1960年代後半で高度経済成長の真っ只中。今では、豊かな国になったはずなのに、この言葉が私には響きます。
まだ、このような人はいるはずだと。
『医学部に入る2008』(朝日新聞社)88頁を参考。
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お金をかけずに、医学部へ行く方法は、次のとおり。
1、防衛医科大学校
入学金や授業料は徴収されず、給与が支給されます。ただ、卒業後9年間は自衛隊に勤務する義務があり、卒業後9年以内に自衛隊を離職する場合には、卒業までの経費を償還しなければならない。参考までに、06年3月の卒業生の償還最高額は4973万円(防衛庁HPより)。
2、自治医科大学
学費が全額貸与される。6年でかかる学費は総額約2300万円だが、修学年数の1.5倍の期間(6年で卒業すれば9年)、出身地の都道府県が指定する病院・診療所などで勤務すれば、学費の返還は免除される。すなわち、実質的に学費を払うことなく、医師になることができる。
3、地元の国公立医学部
6年間の学費は、約350万円(cf.最も学費の安い私学の慶應でも、6年間で2千万前後かかります)。
4、自治体などの奨学金制度を利用
例えば、岩手医科大学(私立)と提携して実施されているのが、「岩手県医療局修学生制度」。事業主体である医療局が県出身の高校生を選抜し、修学生として岩手医科大に推薦する。国公立大学の学費との差額分、約4000万円を貸与。07年度の採用者は4人だった。
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1と2の防衛医や自治医は、実質、学費を必要としないため、大変な人気を得ています。防衛医に至っては、受験料も無料ということもあり、進学校の生徒が練習として受験し、東大理科三類、京都医や慶應医に正規で合格する者も落ちたりする厳しさ。
自治医の入学者は、各都道府県で2、3人を選抜する仕組みのため、出願数の多い首都圏など、倍率80倍になることもあるといわれています。
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ここで、今回の企画というかプロジェクトの発表をしましょう。
「奨学生の募集」です。
上記1〜4の大学を目指す次の要件を満たす受験生を応援したいと思います。
1、公立あるいは国立高校に通っている高校3年生(高校2年、1浪生)
2、今、現在、塾や予備校、通信添削を一切、利用していない
募集人数は、若干名を予定。
選抜方法は、追って発表します。
応援内容は、最近、まとめた『医学部合格マップ』(※)の配布。年に何回か医学部生によるメール相談、随時、私のメールによるフォローetc.
また、防衛医を志望する受験生には、「防衛医科大学校対策講座」も無料にて進呈いたします。これは、防衛医合格者による通信タイプの講座であり、実際、私の生徒から正規合格者を輩出した講座をモデルに開発。昨年もこの講座の受講者から、正規合格者を出しています。
※『医学部合格マップ』…「不安解消講座」受講者の「もっと、医学部生から話を聞きたい」という要望に応え、東大・京大・名大の医学部生10人以上から、国公立医学部合格に必要な話を聞き、まとめたもの。センター・二次試験の話から、大学の授業の様子、部活にバイトまで多岐に渡って、お聞きしました。そのボリュームは、A4で180頁以上。
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この企画に先立ち、当然ながら、防衛医、自治医につきましては、在学生、合格者により、直接、お話をお聞きしています。その他、岩手医につきましても同様に、複数の在学生よりお話をお聞きしています。
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奨学生を募集するに当たってというわけでもないのですが、オリジナル・ブランドの私塾を発足させたいと思っています。これは、Iさんや友人と考えたものなのですが、
「White Anatomy」(ホワイト・アナトミー)としました。
Whiteは、白星の「しろ」と、私の苗字の「白」をかけたもの。
Anatomyは、医学生にとって、医師になる最初の登竜門となり、神聖なる科目。医学部受験生にとって、そういった存在に、この塾もなれたらいいな〜と思いました。
あるいは、受験を解剖するって意味も含まれています。
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以上が、このプロジェクトの設立理念です。